西部邁さん自殺幇助 協力者2人は実刑判決を受けるのか?

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/226872

「自殺幇助とはいえ、人が亡くなっているのだから起訴はされるでしょう」と言うのは元検事の落合洋司弁護士だ。
「ただ、裁判では容疑者2人が西部氏に尊敬の念を抱いていた点などが重視されるはずです。西部氏が生前から自殺を望む発言をし、2人がその信念を貫くために協力したというのであれば、情状酌量が認められると思われます」

自殺の場合、生命という法益(法により守られるべき利益)の主体が法益を放棄していて、日本の刑法では自殺自体を犯罪とはしていません。しかし、第三者が自殺に関わる行為については、おそらく第三者との関係では法益としての保護性を認める見地から違法としています。ただ、主体が法益を放棄している関係で、法定刑は通常の殺人罪よりかなり低く抑えられています。
人により死生観、終末観は異なる中で、自分の考え方に従い、自分の死に方を決めたいという人は今後もいるでしょう。そのようなことに関わるべきではないというのは簡単ですが、では、尊敬する人、愛する人がそのような状態に置かれた時、ただ、死ぬのはやめなさいと言って済むものなのか、難しい問題だと思います。
この事件は、そういった普遍性のある問題を含むものではないかと私は感じています。報道を見る限り、西部氏の自殺に関わった人々にもよくよくの事情や葛藤があったことが窺え、今後の刑事処分において、酌むべき事情があればきちんと酌んでいただきたいと思っています。