http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news/20121010-OYT8T01606.htm
元会社員の証言の信用性を見極める要素の一つが、上田被告と元会社員の関係性だ。検察側は「元会社員は上田被告の言いなり状態で、被害者が殺害されたことも知らないまま利用されていたに過ぎない」と指摘するが、弁護側は「(手に入れた)金を平等に使うなど、両者は対等な関係だった」と否定している。
オウム真理教事件の捜査に当たった元検事の落合洋司弁護士(48)は、両事件の現場付近に元会社員がいたことに注目。上田被告や円山さんの送迎を行ったり、積極的に両被害者を捜さなかったりしたなどの点で不自然さがあると指摘する。
「証人尋問の最大のヤマ場は、元会社員が法廷で何を話すかだ。弁護側は『この人が真犯人ではないか』という疑念を抱かせるための徹底した反対尋問を行うことになるだろう」と分析している。
この元会社員について、弁護人が主張するような、被告人は犯人ではなく元会社員こそが真犯人である、という疑念を、裁判所、裁判員がどこまで抱き得るかが、結論を左右するのではないかと思います。
思い出されるのは、かつて世間を騒がせた、共犯として起訴された女性被告人が有罪、死刑判決、男性被告人が無罪(確定)と大きく結論が分かれた、富山・長野連続女性誘拐殺人事件で、この事件では、男性被告人に、共犯性を疑わせるような事情(電話で連絡を取り合ったり犯行現場付近で行動していたなど)があったものの、女性被告人に騙されていたという主張が排斥しがたいものとされて無罪になっています。上記の鳥取の事件でも、今後の検察立証、弁護人反証の展開によっては、そうした、なかなか微妙な事件になってくる可能性もあって、今後も注目する必要があると感じています。