容疑者が同情誘う必須アイテムはマスクと車いす!?

http://www.chosunonline.com/article/20070919000054

朝鮮日報の記事ですが、今後、裁判員制度が導入される日本でも他人事ではないように思います。

東国大学警察行政学科の李潤鎬(イ・ユンホ)教授(犯罪学)は「世論の同情を買う事件では、判事たちが低い量刑を宣告するが、負担をより少なく感じる可能性がある。今後、陪審員制度が正式に導入されれば、被告人が法廷で同情を誘う言葉や行動がさらに多くなるだろう」と語った。

現在の日本の刑事裁判では、職業裁判官相手の同情狙いのパフォーマンスが奏功する可能性は低いと言えますが、そこに裁判員が入ってくれば、事情が変わってくる可能性があると思います。ただ、やりすぎて逆効果、という恐れもあり、職業裁判官であれば気に留めないようなことが、裁判員の逆鱗には触れて、取り返しがつかないことになる、という事態もあり得るかもしれません。
昔、ある地検で勤務していた際、証人として出廷した恐喝事件の被害者(被害者ではあるが、したたかな人物)が、会社で着ている作業服姿で出廷し、弁護人の厳しい反対尋問にも耐えて、尋問後、「やられたな」という表情の弁護人から、「あの格好は検事さんがさせたんですか」と、やや恨みがましく言われたことがありました。私の差し金ではなかったので「違います」と否定しましたが、その証人は、真面目に額に汗して働く中で被害にあった「被害者」を、その服装も含め、見事に演じ切った(証言に嘘はなかったものの)という面があり、出廷する際の服装というものも大切なものだ、と思いました。
上記の記事を読んで、その時のことが思い出されました。