“見当たらない”証拠が警察署内に

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120925/k10015274481000.html

弁護士によりますと、被告は、1審で「バッグは盗んだのではなく、拾った紙袋の中に作業着などと一緒に入っていた。警察に提出した」などと無罪を主張し、弁護士も主張を裏付ける証拠として作業着などを開示するよう求めましたが、東京地検立川支部は「見当たらない」としていました。
ところが、1審の判決のあと東京高検が確認した結果、作業着などは、警察署に保管されていたことが分かり、東京高検は、弁護士などから証拠の開示請求があった場合には、その証拠があるかどうか十分、確認するよう管内の検察庁に注意を求めました。

私が検察庁で公判立会をしていた当時の経験に照らすと、一件記録上、証拠になっていることがわかるものは、検察庁か警察で保管しているなど所在がトレースできますが、一件記録に現れていない、警察で事実上保管していたり捨てたりしているものが、どうもあるようで(私も、警察官はやったことがないので実態はよくわからないのですが)、上記のような事態が起きる余地は十分あると思います。警察は、作った調書がまずい内容であるとシュレッダーにかけて廃棄する、といったこともしますし、証拠の管理についても、すべてがそうではないものの、かなり杜撰でその辺に置きっぱなしにしていて間違って捨てる、といったこともありますから(発覚して報道されたり処分者が出たりするのはそのため)、そういう、ブラックボックス化した中に、重要な証拠等が潜在している可能性、ということを、関係者は今後も念頭に置き慎重に対処する必要があるでしょう。