「東電事件再審」 高検が異例の無罪検討

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高検が有罪から無罪へ主張を転換する見通しとなったのは、被害女性と最後に接触した人物のものである可能性が高い爪の付着物でも第三者の存在が裏付けられ、有罪立証のよりどころを失ったためである。検察は重要な物証を軽視して鑑定を見送ってきており、失態と言わざるを得ない。

現行の刑事訴訟法上、判決が確定した後、再審請求をしようとし、あるいは、請求しても、請求側では、検察庁が握っている証拠にアクセスすることが極めて困難で、そういった証拠の中に無罪、無実につながるものが潜在していても検察庁が握りつぶしている限りなかなか日の目を見ず無罪、無実につながらない、という欠陥が、これほどあからさまに露呈した事件は、かつてなかったと言えるでしょう。
少なくとも、再審請求審においては、検察庁が、持っている証拠のリストをすべて裁判所へ提出し、裁判所が、適宜、その存在を請求側へ開示しつつ、特に、新鑑定、再鑑定を行うことで確定判決の事実認定が変わり得るような証拠物については、裁判所に鑑定を義務付ける、といった法改正が真剣に検討される必要があると思います。
そういった立法を積極的に進めるべき法務省(特にこうした立法を担当する刑事局)が、幹部をことごとく検察庁出身者に占められ、検察庁の利益に反することはやろうとしない、偏頗な組織になっている、という点も、今後、見直しが必要ではないかと思います。刑事立法について、法務省内にあっても、検察庁とは適切な距離を置いた、バランスのとれた人的構成の組織が主体的に検討、推進するという仕組みが必要でしょう。