障害者郵便割引不正:証拠改ざん 「取り調べメモ」破棄の検察幹部ら不起訴不当

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111030ddm041040089000c.html

議決要旨によると、6人は09年2月〜10年3月、大阪地検で取り調べの際の個人的なメモを破棄。
最高検が08年に、個人的メモについても証拠開示になる場合を想定して「適正管理」を通知していることなどから、「公文書に当たるものがなかったとは言い切れない」と判断。
当時の大阪地検大阪高検最高検幹部ら10人の上司についても監督責任に反していた可能性を指摘した。

不起訴不当では、再度の不起訴になっても強制起訴にはならず、今後、検察庁の手により関係者が起訴される可能性はないですから、事件としては、事実上、これで終結ですね。
行刑事訴訟法の立法者は、旧刑事訴訟法で「司法官」の一員であった検事をイメージして、一種の性善説に立ち検察官は公益を代表して公明正大に職務に従事するという前提に立っていたものと思われます。しかし、戦後70年近く経ち、現実に出現しているものは、独善的にストーリーを作り上げそれに沿うよう証拠を作り(発見、収集するのではなく)、まずい証拠は改ざんしたり捨ててしまうという、醜悪な、腐敗した権力悪そのものでした。こういう組織により、冤罪を晴らすために役立つ証拠が握られ奥深くに隠されていたりしている現状を、国民はもっと憂慮する必要があるでしょう。
取調べの適正化のための方策、検察庁が証拠を握ってなかなか開示しない証拠開示の問題など、刑事訴訟法が抱える大きな問題を、今こそ根本的に変革する時期に来ているとと思います。単なる、検察の在り方の改革、といった、小さな、狭い問題に矮小化してしまうことで、ほくそ笑むのは誰か、ということをよく考えてみなければならないでしょう。