検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

検察vs.小沢一郎―「政治と金」の30年戦争

2009年6月に出た本ですが、その時点までの、小沢一郎氏や陸山会に対する検察捜査の流れや周辺事情が紹介されていて、先月下旬の小沢氏に対する無罪判決後に読み直してみたのですが、頭の中の整理になりました。特に、この本の特徴は、報道機関が出した本でありつつも、検察へのシンパシー(笑)を貫きつつ検察ストーリーに沿って書かれていることで、それはそれで失笑ものではありますが、検察庁がどういった「見立て」で捜査を猛然と進めてきて頓挫したのか、ということがくっきりと浮き彫りになっていて、参考になりました。
鳴り物入りで猛然と進めてきた捜査の結果が、大山鳴動して、ではありませんが、形式犯としての色彩が濃厚の政治資金収支報告書虚偽記載での小沢氏立件を目指す、という、矮小化した話になり、それも嫌疑不十分で不起訴にせざるを得なかったものを、検察審査会が「拾って」強制起訴になり、それも無罪になったが、今度が指定弁護士が控訴して、という、ぎくしゃくとしたことを、ここまで延々と、何年も続けている、この事件は一体何だったのだろうか、という素朴な疑問が、本書を読み終えて、ますます強くなりました。