名乗った平田容疑者を本人と思わず…警視庁本部

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120102-00000462-yom-soci

平田容疑者は本部の正面玄関前で警戒中の機動隊員に「平田です。出頭しました」と名乗り出たが、隊員は本人ではないと思い、「近くの丸の内署か交番に行くように」と告げ、同署の方向を指さしたという。平田容疑者は「特別手配なんですけど」と念を押したが、隊員は取り合わず、一人で約700メートル離れた同署まで歩いて行った。

本人が念まで押しているのに、何とも間抜けな話ですね。本人ではないと思ったのなら、なぜ丸の内署や交番へ行くように告げるのでしょうか。この対応で、相手の気でも変わってそのまま逃げていたら、と考えると、笑い話では到底済みません。
こういう、事なかれ主義の役人(警察官に限らず、また役人にも限らないのですが)というのは、よくいるもので、できるだけ面倒なことに関わらず手間をかけない、というのが仕事をする上での基本になっている、どうしようもない人であることが多いものです。
昔、検察庁にいた当時、警察関連施設への建造物侵入事件の捜査を担当した際、複数の被疑者の供述から侵入は明らかなのに、その施設の警報装置が発報した形跡がなく、事件がつぶれかけたことがありました。よくよく調べてみると、発報という記録自体が捨てられていたようで、その点を明確にして何とか起訴したということになりました。おそらく、そういう面倒な記録は報告しなくて済むように捨てていたものと思われますが、そういうことは往々にして起きて、場合によっては、上記の記事にあるような、国民の失笑をかうような事態にもなってしまいます。
基本に忠実に、確実に職務を遂行することの重要性を感じさせるニュースです。