大阪地裁で犯人隠避事件の公判を傍聴

今日は、午前中から夕方まで、大阪地検特捜部元部長、元副部長による犯人隠避事件の公判を傍聴してきました。私の知人で、是非、傍聴したいと希望する人がいたため、私もおつきあいでアテンドして傍聴してきた、という経緯でした。
今日も、國井検事の尋問が行われ、前回に引き続き、反対尋問が行われていましたが、しがない弁護士、というより、人畜無害な一般人として傍聴していて、核心部分を突かず周辺部分について延々と質問していたり、さして重要とも思えない、些末な供述変遷をくどくどと聞いたり、言葉尻をとらえてあげつらったりと、長い割には中身や効果に乏しい反対尋問になってしまっていました。
尋問では、國井検事が、最高検による取調べ開始後、間もなく、被疑者として取調べを受けるようになり、元検事2名(1人は検事正経験者とのこと)に相談するようになった、ということが語られていましたが、その経緯については、「遠慮させてほしい」の1点張りで、語ろうとされていませんでした。不思議なことに、弁護人の中でちょっと異議めいたことを述べた人はいたものの、弁護人が、証言するよう厳しく求めることはなく、不問に付されていて、内容によっては、最高検との不明朗な取引の可能性が生じるなど、些末な尋問をくどくどと繰り返しているより、よほど尋問する価値がありそうなのに、こういう生ぬるいことをやっているようでは、とても無罪は取れないのではないかという印象を、率直に受けました。
元々が、でたらめな捜査の片棒を担いでいた、信用性が乏しげな証人ではありますが、証言そのものは、記憶の濃淡に従って、懸命に思い出しながら証言している、という姿勢は出ていて、反対尋問の低調さも相まって、検察立証にとっての有力な柱として、崩れずに確固として立っている、という印象を受けるものがありました。
一緒に行った知人も、よい経験ができたと喜んでいて、私にとっても、反対尋問の悪例を見ることができ、勉強になった1日でした。