東日本大震災:がれき撤去、新法制定も視野に 官房長官

http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110323k0000m010013000c.html

被災地では、大津波で流された家屋ががれきとなり積み重なるなど、所有者が分からなくなっているものが多い。多くの自動車や住宅のがれきなどが他人の土地や道路にとどまり、現行の民法や遺失物法では、財産権の観点から撤去しにくいことが問題化している。
法務省は22日の政務三役会議で、流失した建物や浸水した家具、電化製品については価値がない物とみなし、自治体の判断で撤去や廃棄が可能との判断を示した。ナンバープレートが付いている自動車や船舶など所有者が明らかな物や、浸水を免れ使用価値が残る物などは保管区域に一定期間保管し、金品は遺失物として扱われる見通しだ。

撤去については、対象物の性質に応じて、法令上の根拠を考える必要がありますが、広く使えそうなのは、民法上の事務管理ではないかと思います。
民法上、697条1項で、

義務なく他人のために事務の管理を始めた者(以下この章において「管理者」という。)は、その事務の性質に従い、最も本人の利益に適合する方法によって、その事務の管理(以下「事務管理」という。)をしなければならない。

という規定があり、「他人」の意思に基づくことなく事務管理を開始することが可能で、他人の敷地に放置されているような物件は、多くの場合、事務管理による処理として撤去することが可能でしょう。
ただ、ここまでの未曽有の大災害であり、後日の紛糾、紛争を避けるためには、立法により処理するほうが望ましいと思います。