http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010081001000594.html
逮捕容疑は、千葉市稲毛区内の産廃処理会社から2億円の融資を受ける際、担保として提供した株券を2006年に売却し、同額の損害を与えた疑い。
県警によると、担保の株券は05年6月下旬に差し入れた。浜田容疑者は同年10月中旬に一時返還を受け、翌06年3〜4月に数回に分けて計数百株を売り、売却益約2億2千万円を得ていた。
背任罪は、他人の事務を処理する者が、自己又は第三者の利益を図ったり、本人に損害を加える目的で、任務に背いた行為をして本人に損害を生じさせた時に成立する犯罪ですが、担保株券の一時返還を受けたという立場で、再び担保として提供するまでその趣旨に沿って保管するという「他人の事務処理者」でありながら、任務に背いて勝手に処分したこと(それにより債権者に担保を失うという財産上の損害が生じている)が背任、という見立てになっているのでしょう。この種の事件では、背任と横領の境目が問題になることがありますが、本件では、株券が債権者のものではないため、横領ではなく背任が問題になっているものと思われます。
詳細はわかりませんが、記事を見る限り、2005年10月に返還を受け、2006年3月、4月に株券が処分されるまで、数か月間、債権者は実質、無担保の状態になっていたようであり、そういう状態の下、債権者が担保を戻すように求めていたかどうか、被疑者側の認識はどのようなものであったか、捜査を尽くさないと、背任罪の成立に疑問が生じる可能性もあるような気がします。