三越池袋店、51年間の営業に幕 涙流す従業員も

http://www.asahi.com/business/update/0506/TKY200905060115.html

閉店セール最終日ともなったこの日、閉店予定の午後7時半を過ぎても売り場は客でごった返していた。最後の客が店から出ると、杉山潤治店長が「お客様や地域の皆様、本当にお世話になりました」とあいさつ。涙を流す女性従業員の姿もみられた。午後8時すぎにシャッターが下りると、集まった多くの客から「ありがとう」などの声が上がった。

時代の流れというものを強く感じさせられますね。私は、昭和39年(1964年)生まれで、昭和40年代から昭和50年代を、郷里の広島で過ごしましたが、その時代のデパートというものが一種の「流通の王」のような存在であったことを覚えており、親とデパートへ行くときには、良い服を着て、緊張しながら内部を歩き、滅多に何かを買ってもらえないものの買ってもらえると本当にうれしいといった感覚を持っていたように思います。他にはないものがそこにはある、という感覚と言い換えても良いかもしれません。そういった存在であったものが、徐々に環境や消費者の意識などの変化の中で地盤沈下してきて現在に至っていると言っても過言ではないでしょう。三越鹿児島店も閉店したということですが、この業界の老舗である三越がこうして店を閉めてしまうことに、やはり、寂しさを禁じ得ないものがあります。
やや感傷的かもしれませんが、新しいデパート像といったものが確立できるのであれば確立して、そこに人が集い思い出を残せるような、そういう存在として生き続けてほしいと思わずにはいられません。