インサイダー取引はなぜ見破られるのか…ベテラン審査官が明かす摘発の“極意”

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090506-00000524-san-soci

取引所に残された売買記録から、仲介した証券会社を割り出し、口座の名義人を照会。そして、その人物が会社の内部情報を知り得る立場にあるかを検証していく。

インサイダー取引と見破られないように、行うほうもさまざまな偽装工作を仕掛けてくる。知人や家族名義の口座を使った取引は、もはや一般的とも言える手口だ。
それを見破るのがベテラン審査官の「経験」と「勘」。「自分がインサイダーを行うとすれば、どのような手口を使うか」と想像を巡らせ、最初に注文を出したタイミング▽2回目以降の注文を出すまでの間▽発注した株数−などを元に取引者の心理をあぶり出していく。

日々報道される経済ニュースに気を配ることも忘れない。取引データから、その人物がいつ内部情報を入手し、世間の動きに合わせ、どのタイミングで売買を仕掛けたのか。取引を行うのにためらいがあったのか、なかったのか。そんな心理状況まで読み取れるようになるという。

記事の見出しでは「極意」とありますが、むしろ、違法行為に及ぶ際に現われがちなポイントを押さえつつ、怪しい取引を丹念にあぶりだして行く、という手法が確実に結果へとつながっていると見るべきでしょう。人間の考えることは、大量に観察していると似てくるもので、何人ものプロが、様々な情報をクロスチェックしつつ取引を監視しているわけですから、日々の情報蓄積の中で、次第に対象が絞り込まれて行くことが容易に推察できます。
安易にこの種の違法行為に及び、築き上げてきたものを一挙に失うことのないよう、誘惑に負けようとしている人は十分注意すべきでしょう。