舞鶴事件、完全否認も状況証拠100以上…弁護側は徹底抗戦

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090413-00000419-yom-soci

府警が把握する状況証拠は、▽普段から中容疑者が現場付近を自転車で徘徊(はいかい)▽事件直前の昨年5月7日午前3時過ぎ、現場の北約200メートルで中容疑者とみられる男が目撃された−−など100点以上という。
さらに、小杉さんが同日午前1時過ぎから、「自転車の男」と遺体発見現場方向へ歩く姿をとらえた府道沿いの防犯カメラの画像分析で、一番最初の画像では、男が小杉さんの後ろで自転車に乗り、数百メートル先の次の画像では、自転車を押し、並んで歩いていたことが判明。小杉さんと中容疑者に面識はなかったとみられ、府警は、中容疑者が、府道で前を行く小杉さんを偶然、見かけて声をかけ、現場に連れていったとの見方をしている。

おそらく、発見された死体の状況から、何者かにより故意による殺人、死体遺棄行為が行われたことは明らかと推測され、その「何者か」が、逮捕、勾留中の被疑者であることが、状況証拠により、合理的な疑いの余地なく立証できるか、ということが問題になります。
犯行があった日時の当時、その場所付近において、それも、他に接触する人がいるとは考えにくい状況で、上記のように被疑者が被害者と行動をともにしていたことは、確かに、一つの有力な状況証拠にはなるでしょう。しかし、建物内など、他に接触する者が「あり得ない」状況とまでは言えず、例えば、両者が別れた直後に、別の何者かが犯行に及んだということも、あり得ないことではなく、その点を過度に重視するのは問題があると思います。
また、被疑者が、アリバイに関する供述を変遷させていたり、あるいは、当時の自分自身の行動について一貫した説明ができない、といったことが仮にあったとして、そういった事情が状況証拠に含められ考えられているのかもしれませんが、黙秘権を有する被疑者、被告人が、自分自身の行動についてうまく説明できないということを、どこまで状況証拠として重視できるか、重視して良いか、という問題もあり、なかなか悩ましく微妙なものがあります。
この事件が、今後、起訴され、状況証拠による立証が行われるということになれば、状況証拠ということを考える上でもかなり重要な事件になりそうな予感がします。