国外退去の不法滞在両親をのり子さんが見送り

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/090413/trl0904132254010-n1.htm

平成18年、サラさんが入管難民法違反で逮捕されたことをきっかけに、一家は強制退去処分を受けた。だが、一家は日本に残ることを希望。法相の裁量で特別に滞在が認められる「在留特別許可」を求めていた。
森英介法相は先月16日、日本生まれののり子さんには「在留特別許可」を出したが、両親の滞在は認めなかった。

不法在留者に日本に滞在できるという利益を頑として認めないという法秩序重視の考え方と、日本で生育した子供が日本以外での生活が困難であり日本で同居して生育を見守る必要があることが、二律背反状態になった場合、どちらを重視するかということが問題になりますが、難しい問題ではあるものの、人道に十分配慮し後者を選択して、不法在留者であっても特別在留許可を出す、という選択が求められる場合もあるのではないかと思います。
日本の場合、家族がともに暮らすということが軽視されている面があり、単身赴任者も多くて家族の絆というものが重んじられているとは言えないように思われますが、そういった風潮が、法秩序を維持するためには家族を引き離してもやむを得ないという、冷徹な判断となって現れているという見方もできそうです。法秩序維持の重要性は認めますが、もっと血の通った選択というものがあっても良かったのではないかという、もやもやとしたものが残る結末になってしまいました。