西松 担当者を固定 小沢氏側献金 逮捕の元部長 東北支店時代から

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009031302000073.html

西松元幹部によると、同社は政界工作のため、有力政治家に対し、窓口役となる役員や支店長らをそれぞれ配し、献金やパーティー券の要請を直接受けていた一方、政治家の地元事務所とは各支店の事務担当が窓口になっていたという。

政治資金収支報告書の虚偽記載、というのは、いわゆる形式犯ですが、検察庁、特に特捜部は、その辺のおまわりさんとは違うので、単なる形式犯形式犯として処理して終わりにする、ということでは動かないものです。犯罪としては形式犯であっても、その中に実質的なものを見出していたり、より大きな犯罪へと結びつける重大なステップという位置づけをしている可能性は高いでしょう。
実質的なものを見出している、とすれば、上記の記事にも出ているような、建設業界の談合、受注調整といったことが根絶されない中、ゼネコンが、徐々に強化されてきた政治資金規正法の網の目をくぐって政治献金を行い、政治家の有形無形の力を談合、受注調整に利用し、利用しようとしてきた、というところに(その真相はともかくとして)、捜査に乗り出す意味、起訴する場合の起訴価値、といったことを捉えている可能性は高いでしょう。高名な元検事の弁護士が、テレビや新聞等で、この程度の形式犯で特捜部が動くのはおかしい、といったことを語っていますが、見えていない部分にかなりの広がりがあって、そこにこそ特捜部の狙いがある可能性、ということには目を向けるべきであると私は思います。そういった実質的な部分の解明を進める中で、特捜部としては、小沢氏の共犯性を含む、より徹底した解明ということを狙っている可能性も高いでしょう。
特捜部は、東北地方のゼネコン関係者を一斉に呼び出して取り調べているようですが、特捜部というところは、本来的に、また、本質的に、バッチがついて赤じゅうたんの上を歩いているような人とか高級官僚絡みの贈収賄を狙うところであり(その辺も警察の知能犯捜査とは異なるところです)、小沢氏は野党ですが、本件について徹底的な解明を進める過程の中で、より大きな、そういった犯罪の端緒をつかむことを狙っている可能性は高いでしょう。
国策捜査疑惑、といったことを考えてみるのも興味深いものがありますが、この事件の今後の伸び方、広がり方といったことについても、国策捜査疑惑と同等かそれ以上に、興味深いものがあります。