秋元司議員、収賄容疑で逮捕 IRめぐり現金受領 東京地検特捜部

秋元司議員、収賄容疑で逮捕 IRめぐり現金受領 東京地検特捜部(産経新聞) - Yahoo!ニュース

事件をめぐっては、特捜部が今月19日、中国企業の日本法人役員を名乗る日本人男性らが、無届けで国内へ現金数百万円を持ち込んだとされる外為法違反事件の関係先として、衆院議員会館内の秋元容疑者の事務所などを家宅捜索。秋元容疑者から任意で事情聴取し、持ち込まれた現金への関与を調べていた。外為法は100万円を超える現金を国内へ持ち込む場合は税関への届け出を義務付けている。

 国会議員が対象となる贈収賄事件で、特捜部は、過去に、否認事件であっても在宅のまま捜査、起訴したことがあります。12月の、年末が迫った中での詰めの捜査で、私は、在宅のまま捜査、起訴するのでないかと感じていましたが、思い切って逮捕してきたという印象を受けます。

特捜部内、あるいは上級庁との協議の中で、在宅か身柄かという方針の検討があって、証拠関係を見つつ、やはり身柄にした上で捜査を尽くすべきであるという判断が、最終的に働いた可能性もあるでしょう。

この時期の逮捕、勾留では、年末年始を挟むことになり、知能犯事件では、裏付けを取るにも年末年始の休みで(例えば金融機関、会社、官公庁など)取れないこともあるため、伝統的に、身柄事件での捜査が年末年始を挟むのは避ける傾向があります。しかし、それどころではなかったというのが現状なのでしょう。来年1月20日に国会開会が予定されており、国会が開かれれば、逮捕するには国会の許諾が必要になり、その際に捜査情報が漏れてしまうため、特捜部は逮捕許諾をできるだけ避けようとするものです。捜査中のまま時間が経過すれば、関係者による罪証隠滅、通謀の恐れが高まります。そういう諸事情を総合的に見た上での、現時点での逮捕だったということでしょう。

収賄の金の流れがどういうものだったか、明らかになっていませんが、政界工作というものは、1人の政治家を籠絡すれば良い、というものではなく、複数の政治家に及んでいるのが通例です。その意味で、捜査対象が、他の国会議員へ及んでいく可能性も視野に入れておくべきでしょう。

また、捜査が急展開した背後には、司法取引により事件の核心部分について、特捜部が証拠をつかんでいることもあり得ます。そういった経緯も、今後、徐々に明らかになっていくでしょう。

IRという「金のなる木」に群がった人々への捜査のメスが鋭く入りつつあることを感じます。特捜部復活のターニングポイントとなる事件へ発展するのでしょうか。