旅券法違反の時効成立後10日間拘置、警察・検察・地裁もミス

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000038-yom-soci

ボツネタ経由で知りました(と今後も書けることを望みます)。

旅券法は05年12月、虚偽申請の罰則を懲役5年以下などに引き上げた改正法が施行され、公訴時効も3年から5年に延長された。男性が旅券を申請したのは改正法施行前で逮捕時には時効が成立していた。ところが同支部は拘置を請求。地裁八王子支部も認めたため、男性は今月5日まで拘置された。

刑事法を勉強したことがある人であれば常識ですが、犯罪を行った後に法定刑が重くなっても、適用されるのは犯行時の規定というのが原則なので(事後法の禁止)、上記のような場合、最新の六法を見ているだけでは足りなくて、改正前の規定を確認しないと間違ってしまいます。ただ、いちいち古い六法を取りだしてきて確認する、というのは、なかなか難しい面があって、過誤が起きがちというのが実態でしょう。
私は、判例秘書を使っていて、最近、新バージョンに更新しましたが、その中に、六法全書電子復刻版というものが入っていて、改正前の規定を調べるのに役立ちそうだと思っています(まだ、実際にはそういう使い方をしていませんが)。平成18年までの50年分の六法全書が収録されていて、特に、最近の刑事法改正には頻繁なものがありますから、必要に応じチェックすることが可能です。

http://www.eoc.ne.jp/rz/index.html

法律に携わる仕事をする以上、裁判所にしても検察庁にしても、また弁護士にしても、こういったところにかけるコストを惜しむべきではないでしょう。