<ゲートウェイ>流用が常態化 「詐欺だ」800人怒り

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081005-00000078-mai-soci

同社は、留学予定者から預かった資金を、専属契約する海外の現地法人を介して留学先やホームステイ先に支払う。このシステム通り送金されれば留学に支障はないが、実際には払われていないケースが相次いでいた。
会場から「預かり金に手をつけたのか」と追及されると、福井社長は「その通り。そうせざるを得なかった」と認めた。使途は先行してあっせんした他の留学生の費用だけでなく、会社の事務所の家賃や人件費にも及んでいた。さらに「『送金が集中する3、4、8、9月を乗り切れば』と思っていた。昨年もそれで乗り切った」と流用が常態化していたことも認めた。説明会に同席した野間啓弁護士は「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」と説明した。

刑事面で言うと、成立する可能性がある犯罪としては、大きく分けて

1 預かり金流用による業務上横領
2 資金繰り悪化を秘し、海外へ送金するように装った上での資金の詐欺

という、2通りの可能性があるでしょう。
1については、留学希望者から受け入れた資金の性格ということが最大の問題になります。使途が定められ流用が許されない性格が明確になっていれば、上記の記事にあるような流用は、業務上横領罪になり得るでしょう。ただ、そういった資金の性格については、かなり慎重に認定されることになると思います。
2については、「昨年6月ごろから資金繰りが厳しくなっていた」とのことで、特に、破たん間際になると、送金を受けた資金は右から左に運転資金等に流用するという状態が常態化し、送金の趣旨に従った使い方が不可能になっていた可能性が高く、そういう状態であることを告げないまま、いかにも海外へ送金するかのように装いつつ金を「取り込んで」いたという実態があれば、詐欺罪の成立もあり得ます。ただ、どの時点で、そういった詐欺状態に至っていたか、という立証には、犯意も含め、なかなか難しいものがあり、かなり綿密な証拠収集が必要になるものです。
被害者の中で、刑事告訴をする方は、こういった、なかなか微妙で難しい問題が、刑事面では存在する、ということを、頭の片隅にでも置いておけると、今後、何かと役立つと思います。