『値引き』 誘われ前払い 破綻アーバンエステートの顧客

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009062402000221.html

自宅の建て替えを計画していた東京都練馬区の男性(60)もまた、「三百万円値引きするから」と支払いの前倒しを求められたという。難色を示すと、「完成保証するので絶対に大丈夫」と畳み掛けられた。結局、着工前に二百万円の契約金以外に八百万円を支払った。その後、一カ月もたたないうちに倒産。男性は「悔しいのひと言。やりきれない」と憤る。
今月二日に結成された被害対策弁護団によると、住宅が未完成の顧客は首都圏を中心に約五百世帯に及び、支払済み総額は約三十五億円。弁護団は損害賠償請求訴訟や経営陣の刑事責任追及を検討しているが、同社に回収可能な資産が残っているのかどうかも分からない。

必死に金をかき集めていた背景には、会社の業績や資金繰りの悪化が存在した可能性が高いと思われますが、顧客としては、そういった背後の事情はわからず、言われるままに金を巻き上げられてしまった、という構図でしょう。刑法上の詐欺罪にはなかなか該当しにくい形態ですが、会社の苦境を隠して言葉巧みに金を巻き上げ取り込んでいるという点では、詐欺まがい、詐欺もどきの商法ということは言えそうです。
こういった注文住宅については、記事にあるような倒産の際に、既に支払った代金が保護される仕組み、制度はないようですが、普通の人にとっては一生に一度の大きな買い物である場合が多い住宅購入に関するものである以上、全額は無理としても一定の割合までは保護されるといった制度の導入が必要ではないかと思います。