<個室ビデオ店放火>「自殺するつもり」…接見で動機語る

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081004-00000111-mai-soci

容疑者は、放火の動機と当時の行動について「自分としては1人で死ぬつもりだった。でも、煙で苦しくて、我慢できなくなり部屋から出てしまった」と明かした。火の燃え方は「予想外だった」と言い、25人が死傷する大惨事になったことについては「思ってもみなかった。ビデオ店を出て、救急車や消防車を見た時、えらいことになったと思った」と振り返った。

この種の建物への放火事件では、殺人罪まで認定できるかどうか微妙な場合が多く、起訴できない、とうケースも少なからず出てくる傾向があります。
以前、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060630#1151621315

とコメントしたことがありますが、上記の事件の場合、殺人までの動機が認定できるかどうか、個室ビデオ店の構造上、中にいる人々が出火に気づくのが遅れたり気づいても逃げ遅れる可能性、といったことを被疑者がどこまで認識、認容していたかどうか等の事情を、殺人罪認定の上でどのように評価するか、ということが問題になりそうです。
最近、

<障害者施設放火>所有者の女を起訴 「殺人」は見送り
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000146-mai-soci

という

被告は6月2日午前2時過ぎ、7人が入居する同施設の1階物置で熱した炭を新聞紙の上に置いて放火し、施設と隣の民家計2棟を全焼させた。地検は入居者とのトラブルが主な動機とみている。この火事で2階に住む3人が亡くなった。

「入居者とのトラブルが主な動機」という点では、殺人の動機がより強く認められ得る事件で、

殺人罪について地検は▽動機に殺意があったか疑問▽事件直後に自ら119番している−−ことを重視、不起訴処分とした。

という処理結果になっていて、この種事件における殺人罪認定の難しさを浮き彫りにしているという印象を受けました。