取り調べ監督強化 警察庁 冤罪事件受け部門新設

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071101-00000122-san-soci

国家公安委員会は同日、警察庁に対し取り調べの適正化を求める異例の決定を行い、(1)取り調べへの監督強化(2)取り調べ時間の管理の厳格化(3)適正な取り調べを担保する措置(4)捜査に携わる者の意識向上−を求めた。
警察庁はこれを受け、捜査が適正に進められているかどうかを捜査外の立場から監督する部門を新設。しかし新制度が機能するためには、新組織が独自に不適正な取り調べが行われたという情報を得ることが重要となる。
同庁は、取り調べが深夜に及ぶなどしないよう容疑者の留置場出入り時間を報告させることや、新組織が取り調べを受けた人からの苦情を受け付けたり、取調室を巡回したりすることも検討している。

現在の流れでは、取調べの全面可視化、全取調べの録画、録音、といったことになりかねない、と、警察当局が危機感を抱いていることの現れでしょうね。しかし、上記のような「監督」が置かれても、四六時中、見張っていることもできず、その実効性は極めて限定的なものにしかならないでしょう。一種の「アリバイ作り」と言われても仕方がない「部門新設」と言うしかないと思います。
約1年前に、ロンドンの警察を見学した際、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061025#1161761754

警察の留置担当官は、採用時から、捜査担当官とは別ルートの採用になっていて、日本とは比べものにならないくらい、捜査と留置が分離しているようでした。留置担当官の話では、逮捕に問題があると判断された場合、留置担当官が留置を拒否することもあるということで、これは、日本では考えられないことでしょう。

といった感想を述べたことがありますが、日本でも、現在の警察における留置部門は警察とは別系統の組織にするくらいのことは、すぐにでも実行すべきで、そういうこともせず、中途半端な「監督」を置く程度では、実効性も乏しく、国民の理解、納得も得られないと思います。