- 作者: 谷口克広
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2007/04/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
少しずつ読み進め、半分強ほど読んだところですが、本能寺の変を巡る様々な見解が検証されていて、かなり読み応えがある本です。
以前、読んだ
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060318#1142672925
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060217#1140127535
も俎上に載せられているだけでなく、様々な書籍や論文などが検討の対象になっていて、一種の文献目録としても貴重です。
信用できると認められる情報源から、合理的な解釈、推理を行いつつ、真相に迫ろうとする歴史家の手法は、捜査や公判の際に、証拠に基づいて事実を認定する手法と共通するものがあります(後者も、一種の「歴史の再現」です)。
ただ、そういった手法では、どうしても解明できない部分が出てくるものであり、そういった点で、「大胆な推理」が人々を魅了する、という側面はあるでしょう。本能寺の変を巡る、歴史家には一笑に付されるような様々な見方も、そういった意味で生き残っている面はあるように思います。
確実に言えるのは、僅かな供回りのみで本能寺に宿泊していた織田信長には大きな油断があり、慎重さ、用心深さをもう少し働かせていれば、あのような横死はなかった、ということではないかと、この本を読みながら改めて思いました。