横浜地検訪問

今夕、横浜簡易裁判所で、刑事事件の打ち合わせがあったので出席しました。その席で、公判立会検事に聞いたところ、地検公判部長が、以前、私が静岡地検に勤務していた当時の三席検事とわかり、打ち合わせ後、公判部長にご挨拶に行き、公判部長室で15分ほどお話させていただきました。
事件については厳しく臨みますが、一度はその世界に賭けてみようとした検察庁というものに対し、私に恨みつらみなどあるはずもなく、途中でドロップアウトし、共謀罪に反対しているような私に温かく接し、コーヒーまで出していただいた公判部長のご厚情は、ありがたいものだと思いました。夜の検察庁には、久しぶりに入りましたが、職員が黙々と仕事をしていて、自分が勤務していた当時のことが思い出されました。建物を出た後、あのまま辞めずに続けていればよかったかな、などと、弱気(?)な気持ちが、ふと起きたりしましたが、東京に戻ると、そういった気持ちも吹っ切れて、弁護士になり切っていました。
一つの道に身を置いて最初から最後まで全うする、というのは、なかなか難しいことであり、それだけに価値があることですが、全うできずに他の道に転じた者にも、それぞれの人生があります。転身後の道で努力しつつも、ある道で全うできなかった、ということを、時々、やや苦く思い出しながら、それぞれの人生を生きて行く、という、この気持ちは、経験した者でないとわからないかもしれません。
先日、コメント欄で紹介があったブログで、

http://d.hatena.ne.jp/stationmaster/20061116/1163694274

というエントリーがありましたが、こういったものを読むと、ほろ苦い気持ちがして、仕事の邪魔しているつもりはなくても検察庁にはそう思われているんだな、そう言えば自分も昔はそう思って酒を飲んでヤメ検の悪口を思い切り言ったりしていたな、でも、あの頃の自分は今よりも遙かにモノがわかっていなかったな、などと、いろいろなことが脳裏を過ぎるわけですね、私のような立場の者は。