携帯有害サイト…子供の接続制限提言、業者は消極的

インターネットやゲームが子供たちに与える悪影響への対策を検討している警察庁の「バーチャル(仮想)社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会」は21日、携帯電話会社に対し、子供には、あらかじめ出会い系サイトなどへの接続を規制した携帯電話を販売することを求める内容の中間報告をまとめた。

こうした現状を踏まえ研究会は、家庭や学校などで携帯電話の危険性への理解を深める取り組みなどが不可欠としたうえで、「(電話会社は)あらかじめフィルタリングを設定するか、インターネット機能を有しない状態で販売することを基本とすべきだ」と結論づけた。これに対し、NTTドコモは「何を有害とするのかを電話会社が判断するのは、表現の自由の問題もあり、難しい」とコメント。KDDIも「選択の幅を奪うのは通信の自由の観点から困難ではないか」とし、ボーダフォンは「業界全体で議論すべき問題だとは認識しているが、すぐに結論は出せない」としている。

私は、上記のような各携帯キャリア(特にドコモとKDDI)が言っていることがもっともだと思いますね。
現状にいろいろな問題があるのは事実ですが、だからといって、「あらかじめフィルタリングを設定するか、インターネット機能を有しない状態で販売することを基本とすべき」ではあまりにも乱暴すぎるでしょう。子供を守るのは、まず親の務めであり、親が、子供をきちんと保護して、携帯電話の使い方についても責任を持って臨む、という方向へこそ進むべきであり、携帯キャリアに親の代わりをさせるのでは、表現の自由等との関係もあり、問題も大きく、携帯キャリア側も困惑するでしょう。
研究会で何を研究しているのか知りませんが、名前自体、頭に「バーチャル(仮想)社会のもたらす弊害」と付いていて、バーチャル社会が子供に弊害をもたらす、と決め付け、思い込んでいるのではないか、と危惧されます。
中間報告とはいえ、「研究」の結果がこの程度では、研究会のレベルが推し量れると言えるでしょう。
警察は、その本質が「取り締まり」ですから、何かにつけ「取り締まる」という発想で対処しようとするのは当然のことですが(それに対し種々の批判が浴びせられるのも当然のことです)、そういった中に、「有識者」などと持ち上げられて迷い込み、警察にリードされるまま深く考えもせずその意に沿った動きをすれば、その「有識」に疑問が投げかけられるだけでなく、その姿勢自体も厳しく批判されることになる、ということを覚えておくべきでしょう。