実名でのネット活用促す 総務省「悪の温床」化防止

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050627-00000032-kyodo-bus_all

国内のネット人口は増加する一方だが、匿名性が高いために自殺サイトの増殖や爆弾の作製方法がネットに公開されるなど、犯罪につながる有害情報があふれている。総務省はそうしたマイナス面を排除し、ネットを経済社会の発展につなげていくためには、実名でのネット使用を推進し、信頼性を高めることが不可欠と判断した。

私自身の「匿名性」に関する考え方は、本ブログで既に明らかにしている通りで、現時点で、特に付け加えることもありませんが、総務省が旗を振ってこのようなことをして、どれほどの意味があるのかと、非常に懐疑的になりますね。
「悪の温床」などと言っていますが、利用しやすいものは悪用もされやすい、ということに尽き、悪用されやすさを制限することは、同時に、利用しやすさを制限することになります。
この記事では、「匿名性が低いとされるブログ」などと間抜けなことを言っていますが、ブログ上での発言に「実名」を義務づけたりすれば、現在の爆発的なブログ人気は望むべくもないでしょう。また、内容も、実名で書ける当たり障りのないものにとどまって、おもしろくもおかしくもない、というものになりかねないと思います。
本当に、こういった取り組みを本気でやりたいのであれば、全世界的に、同時に行わないと、総務省が「悪の温床」などと言っているものが(私は「悪の温床」とは思っていませんが)国外へ広く拡散して行くだけのことでしょう(元々国外にあるかもしれません)。
有害情報に対する取り組みにしても、この記事にある匿名性の制限にしても、総務省がインターネットについて思い描いているビジョンが不明で、インターネットに無知な政治家に突っつかれて、場当たり的に、その場しのぎの施策を打ち出しているとしか見えません。
この記事は共同通信配信ですが、インターネットに対して無知(「匿名性が低いとされるブログ」などと書くこと自体が無知そのものでしょう)のまま、総務省からもらった情報を世間に垂れ流している暇があったら、匿名性についてきちんと考えるべきでしょう。汐留の小綺麗な建物に入って浮かれているうちに、世間の姿が見えなくなってるんじゃないですか?>共同通信