ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100306-00000532-yom-soci

日医の懇談会は「高度情報化社会における生命倫理」の報告書で、ネット上の言動について「特に医療被害者、家族、医療機関内部告発者、政策に携わる公務員、報道記者などへの個人攻撃は、医師の社会的信頼を損なう」と強調した。
匿名の掲示板でも、違法性があれば投稿者の情報は開示され、刑事・民事の責任を問われる、と安易な書き込みに注意を喚起。「専門職である医師は実名での情報発信が望ましい」とし、医師専用の掲示板は原則実名の運営に改めるべきだとした。ウィキペディアの記事の一方的書き換えも「荒らし」の一種だと断じ、公人でない個人の記事を作るのも慎むべきだとした。

この問題には、医師の倫理ということと、一般的な匿名性の問題の、両方が含まれているのではないかと思われ、それだけに、処方箋が出しにくい、難しい問題という気がします。
医師が、実名では言いにくい、しかし、誹謗・中傷やプライバシー侵害ではない、社会にとって有益な情報を匿名で発信したいと思うことはるでしょう。それを禁止する必要があるかと言えば、あるとは思えません。しかし、匿名性は、無責任な誹謗中傷等に発展する危険性を常に持つものであり、その対策は必要ですが、その歯止めを倫理だけに求めるのは無理でしょう。とは言え、現行の法制度で倫理以外の歯止めがどこまであるかというと、かなりお寒い状況であるのも事実です。
急激に到来したインターネット社会の負の側面、ということだけで片付けられない問題ですが、そういう側面があるのは間違いないでしょう。