コロンビア:無名遺体の発掘 40年に及ぶ内戦の犠牲者

http://www.janjan.jp/world/0705/0705155512/1.php

遺体の大半は手足が切断されており、これは、政府との交渉の結果現在は一部武装解除が果たされた極右非合法民兵組織であるパラミリタリーによる虐待の被害者と見られる。パラミリタリーはナタやチェーンソーで被害者を生きたまま切断するのが常套手段であった。遺体には女性や子どもも含まれている。

1964年から2004年までの内戦の被害者はおよそ350万人にのぼり、その補償は220億ドル以上と概算された。

こういった人間の残虐性というものには慄然とさせられますが、世界の中で残虐な行為が行われている際に、それをやめさせるためにはどういった仕組みが必要か、ということも、真剣に検討する必要性を感じます。
人類の未来について、激越な争いの中で滅亡する、あるいは滅亡寸前に至る、といった描かれ方がされる場合が多いように思いますが、こういったニュースに接すると、悲観的にならざるを得ません。

京都出身、がんで逝った警察官僚の闘病記ブログが本に

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200705160010.html

最期は満紀さんの手を握り、同僚の「お前がいないと職場が困る」という呼びかけにうなずいたという。昨年5月24日だった。病魔に気づいてから約半年の闘病生活だった。

満紀さんは「人の役に立つことを地道にやっている多くの方々に、彼の気持ちを伝えたかった」とブログを本にまとめることにした。

かなり優秀で、真面目な人だったようですが、志半ばで亡くなり、無念だったと思いますし、大きな損失だったと思います。ブログも見ましたが、例えば、

警職法の改正(書直し)
http://blogs.yahoo.co.jp/morizanesatoru/21983060.html

を見ても(私と意見は同一ではないものの)、考え方がしっかりしていて、こういう人に、将来の警察を支える一人になってほしかった、という気がしました。

強盗後7年潜伏、時効成立は勘違い…結婚申請の中国人逮捕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070517-00000401-yom-soci

犯行当時の強盗罪の公訴時効は7年で、単純計算では時効は成立していたことになるが、共犯者の公判中は時効が停止するとの規定が刑事訴訟法にある。男はそれを知らず、交際中の女性と結婚しようと福岡市役所に外国人登録証の発行を申請してアシがついた。

刑事訴訟法には、

第254条
1 時効は、当該事件についてした公訴の提起によつてその進行を停止し、管轄違又は公訴棄却の裁判が確定した時からその進行を始める。
2 共犯の一人に対してした公訴の提起による時効の停止は、他の共犯に対してその効力を有する。この場合において、停止した時効は、当該事件についてした裁判が確定した時からその進行を始める。

という規定があり、上記の2項について、この中国人はもっと勉強しておくべきでしたね。
生半可、聞きかじりの法律知識が命取りになる場合もある、ということでしょう。

警察に家庭関係の相談増える 窓口の応対が丁寧で?

http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY200705170051.html

担当者は「相談員らが丁寧に聞いているので、話を聞いてもらえると思われているのでは」とみる。

私は、仕事柄、警察に電話することがよくありますが(特に多いのは警視庁)、確かに、以前に比べて電話の応対が良くなっている、という印象はありますね。
以前は、電話すると、出た警察官が、

「おー」
「あー?」
「なにー?」
「べんごしー?」
(これが検事だと、わかったとたんに口調が改まり、「はいっ、検事さん」といった、手のひらを返した感じになっていたものです)

といった感じで応対することも少なくなく、社会人としての最低限の応対もできないことに、あきれたものでしたが、最近は、そういった経験をすることがほとんどなくなりました。
改善が進んでいる点ということは言えるように思います。

<能勢男児遺体>抱けないのでメットインに入れた 夫婦供述

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070517-00000041-mai-soci

供述によると、両容疑者は今年1月31日ごろ、豊中市内の自宅からバイクに2人乗りして外出。子どもを抱いたままバイクには乗れなかったのでメットインに入れたという。

容疑者がバイクまで先に戻ってきたところ、優ちゃんがメットインの中で死んでいるのに気づいたという。

死因が不明であるようで、上記の死に至る経緯も、あくまで「供述」によるもので真相解明は今後の捜査に待つしかありませんが、亡くなったお子さんが、かなり粗末に扱われていたことは間違いないでしょう。
赤ちゃんポスト」について、賛否両論ありますが、失われずに済む命を救うためには、やはり、設置しておいたほうが良いのではないかと思います。

変死の解剖、わずか9%…犯罪・欠陥事故見逃しの恐れ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070517it01.htm

指宿教授のブログ経由で知りました。

http://imak.exblog.jp/5599002/

同ブログでも指摘されていますが、このあたりは、かなり問題がある分野ではないかと私も思います。
変死体については、刑事訴訟法上、検察官が検視を行うことになっているものの、実務上は、ほぼすべて、警察が代行して検視を行っています。
以前、ある地検にいた際、どうも死体の状況が不自然な変死体があり、私が当直で報告を受けたので、司法解剖すべきではないかと警察に意見を述べたところ、解剖するのが面倒だったのか、何だかんだと文句を言って抵抗し、結局、次席検事のほうで解剖の可否を判断する、ということになり、検討の結果、解剖を行わなかった、ということがありました。私の手を離れた後の検討状況まではわかりませんが、解剖してみないとわからないことは当然あるはずで、解剖する前から、しないという結論を出してしまう警察の対応には強い疑問を感じました。ただ、だからといって、検察庁として令状を請求し解剖を実施するか、というと、そこまで濃厚な嫌疑があったわけでもなく、この種の事例は少なくないのではないかと思います。そういった「グレー」な事例のうちに、何らかの犯罪によるものが隠れている、ということは、当然、あるでしょう。
これは、上記の記事で、

日本法医学会員らは、解剖率が低いと、〈1〉死因の判断ミスが増え、犯罪が見逃される〈2〉伝染病などが見逃されて公衆衛生上の危険がある〈3〉死に至るメカニズムが解明されず、ガス器具による中毒事故の多発などが気づかれない――と指摘。
実際に、茨城県で2000年に起きた保険金殺人事件では、強い酒を飲まされて殺されたとされる男性が解剖されないまま病死とされ、被告の1人が上申書で告白するまで事件が発覚しなかった。

とされている通りであり、解剖されないまま処理されてしまった死体について、後日、犯罪によるものであることが判明した事例は、過去に何件も起きています。
こういった問題は、刑事だけでなく、人の死が問題になる民事その他の事件にも関わってきます。
その意味では、日本でも検死官制度のような制度を整備して、人の死が、きちんと原因を究明され、その結果を利用すべき場面で適切に利用できる、という仕組みにして行く必要性が高いと言えると思います。

本日のアクセス数

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070516#1179322470

のエントリーの関係と思われますが、現時点で、1日の通常アクセス数の優に2倍を超えるアクセスがあります。いろいろなコメントがついていて、読んでいて参考になります。ありがとうございます。>皆様
法的な責任は、最終的には裁判制度を通じ、法令や判例に照らして決定されますが、道義的責任とか、社会的責任、といったものは、明確な基準もなく、どこまでが取るべき責任なのか、どこからがとる必要がないのか、よくわからない面があります。厳しく取ればきりがないし、甘くすれば世間の納得は得られないでしょう。バランス、といっても、どこでバランスを取れば良いのか、明確な線は引きにくいものです。
私自身、自分自身の個人的意見とは別に、「責任の取り方」について、相談を受け検討する、といったことが、今後も起こり得ますが、考え、迷い、思い直しつつ検討するしかない、というのが現在の感想です。

<愛知立てこもり>妻を人質 粗暴な元組員 住民らも恐怖

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070517-00000146-mai-soci

県警愛知署によると、長久手交番の木本明史巡査部長は通報を受け、同僚2人とパトカーで現場に向かった。木本巡査部長は助手席に乗り、現場到着後、最初に駆け付けたところ、銃撃されたという。

この種の事件は、今後、増えそうですが、初動の段階から、この種の事件について訓練を受け、より適切な対応が可能なチームが動ける態勢を整備することも検討すべきかもしれません。
まずは、この事件を、これ以上の犠牲者を出すことなく解決することが急務です。