「認知バイアス 心に潜むふしぎな働き」

 

ブルーバックスは、おもしろそうだと思いつつも、なんとなく敷居が高そうで、まず読むことはないのですが、これは、テーマに興味を感じた上、オーディブルで出ていたので、落として聴いてみました。

人間が陥りがちな認知の罠、陥りがちな誤りといったことについて、豊富な具体例を紹介しつつ論じていて、中には難しく感じられる箇所もありましたが、かなりおもしろく最後まで聴き通せました。

刑事訴訟法の伝聞法則が、人間の認知の正確さを、反対尋問により検証すべきことを踏まえたルールであることはよく知られていますが、そういう、認知というものの難しさ、誤りも混入しやすいことへの謙虚さを常に持ち合わせていないと、誤った目撃証言により冤罪を生むような事態を招いてしまうでしょう。

その意味では、法律家も、そういった認知のメカニズムについては、常に問題意識を持って臨むべきであると、改めて感じるものがありました。