「華岡青洲の妻」

 

有吉佐和子による、かつての大ベストセラーで、前から読みたいと思っていたところ、オーディブルであったので、移動中に聴きました。

江戸時代の医師で麻酔を開発した華岡青洲の母や妻が、その身を以って麻酔の実験台になった、その前後における人間模様が丹念に描かれていて、こういった小説は滅多に読まない(聴かない)こともあって、華岡青洲の目標を達成させようとする家族の献身的な愛に、心打たれるものを感じました。

現代であれば、こうした人体事件は許されないことですが、医学の発展上、こうした身を犠牲にした献身があったことは、忘れられるべきではないでしょう。