5年ほど前にオランダへ行った際に、足を伸ばして、アンネ・フランク終焉の地であるベルゲンベルゼン強制収容所跡へも行って見学しました。
その当時から、この「思い出のアンネ・フランク」の存在は知っていて、読まねばと思いつつも読めずにいたのを、最近になってやっと通読しました。
著者のミープ・ヒースは、アンネの父親オットーの会社で働いていた人物で、アンネらの潜伏中は食糧を差し入れるなど危険を顧みず献身的に協力し、アンネらがゲシュタポに逮捕された後、隠れ家内にあったアンネの日記を回収して保存し、それが戦後、公開されるに至っています。
日本語訳もよくできているせいか、事実を淡々と述べていて、当時のオランダ人目線で、ドイツに抑圧された人々の苦しみや苦労も赤裸々に語っています。連合軍がオランダ解放へ向けオランダへ迫る中、アンネらが逮捕された様子もよくわかり、アンネ・フランクに関心を持つ人にとっては是非とも読むべきものでしょう。遅ればせながら通読することができて良かったと感じています。
アンネ・フランクや姉マルゴーらの魂は、今でも我々を見つめ、再びあの惨禍が起きないことを願っていることでしょう。それに応えられるかは、今を生きる我々の課題だと思います。