菅氏、内閣人事局は変えず 「政策反対なら異動」

菅氏、内閣人事局は変えず 「政策反対なら異動」(共同通信) - Yahoo!ニュース

内閣人事局は2014年5月に内閣官房に新設された。幹部人事を掌握するため、官邸主導の意思決定を後押しする一方、官僚の忖度を生む要因と指摘される。

 私が身を置いたことがある官僚組織は検察庁だけですが、捜査を進める際に、こうだろうという「見立て」や証拠の評価などについて、上司の意向に、ただ従うだけというのは危険なことだと感じたことが何度もありました。被疑者や参考人を取調べていて、これは見立てがちょっと変だなと思えば率直に意見は言っていたものでした。少なくとも、私が在籍していた頃の検察庁は、そういうことがあっても飛ばされたりするような組織ではなかった気がします。今はどうか知りませんが。

組織である以上、決まったことには従う必要がありますが、決まるまでには、信念に基づききちんと意見を言う、言われた側も反対意見にも耳を傾け必要に応じて方針を修正する、ということでなければ、組織は独裁者に支配された、上に忖度したヒラメのような人間だらけの、硬直化、弱体化したものになってしまうでしょう。

日本の官僚制度は、アメリカのように政権交代とともに幹部がガラッと交代するような制度ではなく、基本的には特定の省庁で勤め上げるシステムです。そういうシステムの中で、政治家に反対すれば飛ばされる、では、官僚がやる気を失い意見を言わなくなる恐れが大きく、結局は国民のためにならないでしょう。