バドミントンの桃田選手に起きた「眼窩底骨折」とは?(読売新聞(ヨミドクター)) - Yahoo!ニュース
眼球の前方から急な圧迫を受けた場合、眼窩(骸骨を思い出していただくとわかりますが、眼球が収容されている骨で構成されているへこみ部分)の内圧が一気に高まります。その圧の逃げ場として、抵抗の弱い眼窩の下(底)が破れ(骨折し)、目を動かすのに必要な筋肉やその周囲の組織を挟み込んでしまうことで、眼球の位置がずれたり、動きに制限が出たりすることになります。
私が経験している眼窩底骨折の例は、交通外傷、ボクシングや野球の自打球を当てたようなスポーツ外傷、けんかによる殴り合いが多くありました。手術などにより改善するケースも多くありますが、後遺症を残してしまう場合もありました。
昔、検察庁にいた当時、被害者が眼窩底骨折の傷害を負った傷害事件の捜査を担当したことがあり、その際、医師から傷害が生じたメカニズムの説明を受けたのですが、眼部を殴打したことで、上記の記事にもあるように、眼球がある部分の圧力が高まり、それが、眼球が乗っている部分の眼窩底へ抜ける形になって骨折が生じる、とのことだった記憶です(眼球が入っている部分の模型を前にしつつ丁寧に説明してもらいました)。
記憶では、物が二重に見えたりする後遺症が残る場合もあるとのことで、バドミントン選手にとって視力、目の状態は重要なはずですから、今後、後遺症なく完治すれば良いと思っています。オリンピックで、実力を存分に発揮して活躍してもらいたいものです。