「ごじゃ」の一分 竹中武 最後の任侠ヤクザ

「ごじゃ」の一分 竹中武 最後の任侠ヤクザ

「ごじゃ」の一分 竹中武 最後の任侠ヤクザ

検察庁にいた当時は、暴力団関係の事件を扱うことが少なくなく、その世界に関する本は努めて読むようにしていましたし、そういうこともあって、その後も、時折、そうした本を読むことがあります。
山口組に関しては、最近、分裂など様々な動きがありますが、四代目組長の射殺事件やその後の様々な抗争等について、四代目組長の実弟である「竹中武」という人物を切り口にして読んでみるのもおもしろそうで、この本を読んでみました。
読んでみると、期待通りで、山口組や関係者の、今に至るまでの歴史をたどることができ(本書中の様々なエピソードがどこまで真実なのかはともかく)、また、竹中武という人物の、古いタイプの任侠ヤクザという姿も印象的なものがありました。私自身がかつて接したことがある、似たようなタイプのヤクザ(関西では極道と言いますが)の姿が、読みながら思い出されました。
作者には筆力もあり、じっくり読ませる1冊だと思います。