横浜児童死傷事故、男性を処分保留で釈放

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20170216-00000053-jnn-soci

この事故で、軽トラックを運転していた88歳の男性が過失運転致死傷の疑いで逮捕・送検されていましたが、横浜地検は16日付で、男性を処分保留で釈放しました。
男性に認知症の疑いがあったことから、横浜地検は刑事責任能力の有無を調べるため、今月10日まで鑑定留置していました。

被疑者が、事故当時の記憶がないと供述しているようですが、こういった自動車事故では、被疑者の供述で、前方不注視であればその具体的状況を、地点を特定しながら立証するスタイルを取るのが通常で、供述がないと、具体的な過失の内容が立証しにくくなる面があります。私も、昔、検察庁にいた当時、泥酔していて事故当時の状況を供述しない(できない)被疑者について、状況証拠で事故の様子を組み立て再現して過失を認定し起訴したことがあって、その当時に苦心したことを思い出しました。
上記の事件では、事故当時の責任能力にも問題があるようで、身柄の満期に性急に処分を決めずに継続捜査とした判断には慎重さを感じるものがあります。十分に捜査を尽くして処分を決めてほしいと思いますが、ニュースに出てくる、あどけない被害者のお子さんの写真を見ると、切ない気持ちになります。