図説 「合戦図屏風」で読み解く!戦国合戦の謎

目に付き、おもしろそうだな、と思って軽い気持ちで買って読んでみたのですが、予想以上におもしろくて楽しめました。
いろいろと有名な「合戦図屏風」があって、私もいくつか実際に見たことがありますが、何気なく見ているだけでは読み取れない、深い部分が、本書ではわかりやすく丁寧に解説されていて、今後のこうした史料に対する見方に、良い方向での影響が出た感じがします。現代人の目から見ても、数百年前のものでありながら、合戦図屏風は人物描写が克明で実によく描かれているものが多いですが、克明に描かれている背景には、その屏風の発注者が先祖の戦功ををアピールしたかったとか、様々な思惑が込められていることがあった、といったことが本書では紹介されていて、いつの時代にも、そうした思惑はあるものだと、当時の人々が何となく身近に感じられるような気がしました。
歴史好きの私にとって、読みやすくおもしろい、拾いものの一冊であったと思います。