戦国武将 敗者の子孫たち

戦国武将 敗者の子孫たち (歴史新書)

戦国武将 敗者の子孫たち (歴史新書)

私は、昔から、こうした「あの人のその後」的な歴史関係の本が好きで、割と読むほうで、その流れで、これにも興味を持って読んでみました。知らなかったことも多く、買って読んで良かった、と思える内容でした。
「血」を尊ぶ、ということには、賛否両論あるとは思いますが、明治維新までの日本の、特に武家社会で、敗れたとはいえ、なかなかの人物、家系であった、という評価が高いと、血が尊ばれ、細々と残る、そういったものが、様々な人々に尊ばれることで長く残り、時には、時代の中で脚光を浴びる人物の中に脈々と流れている、といったことが起きていることに、日本という国の長い歴史や、敗者を根絶やしにせず、むしろ取り込むことで発展してきたという側面を強く感じました。
個々の自由は尊ばれるべきですが、勝敗は時の運であり、勝者も敗者も、勝ちにおごらず負けにくさらず、団結して難しい局面を残り越えて行くことが、長い歴史の末端に連なる、この日本という地に生きる我々のなすべきことではないか、ということを感じました。