<PC遠隔操作>匿名化ソフト、ミスで使わずサイト接続か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130212-00000035-mai-soci

捜査関係者によると、トーアを使わないアクセスがあったのは、遠隔操作ウイルスに感染したPCに犯罪予告を出すよう命令する際に使われた掲示板。捜査本部がこの掲示板の接続記録を詳しく調べたところ、「真犯人」が残したとみられる書き込みの一つに、港区のIT関連会社からのアクセスがあった。

完璧に計画、実行され「完全犯罪」のように見えるケースでも、そこは、人間のやることですから、どこかで思わぬミスが生じることがあります。例えば、有名な、坂本弁護士一家殺害事件では、犯行現場である坂本弁護士方に、オウム真理教の信者が身に着けていたプルシャというバッジのようなものが落ちていて、後に、犯行グループの1人が落としたものであることが明らかになっています。ただ、発生当時は、あまりにもわかりやすい遺留品であったため、むしろ、犯人がオウム真理教の犯行と見せかけるためのものではないかという説もあり、かえって捜査を迷走させる原因にもなってしまった面がありました。このように、犯人は完璧を目指してもミスをするものです。
昨年11月に、真犯人から、自殺予告メールが送られてきて、今では、捜査を撹乱するための嘘、偽装であったとされていますが、当時から、私自身は、真犯人が完璧を目指しつつ何らかのミスをしていて(少なくともその自覚があって)、自殺予告をすることで、自分の周辺に警察の手がどこまで及んでくるかを見極めたいという意図があったのではないか(周辺に捜査が及び真犯人が誰かが特定されつつあれば、自殺予告すれば周辺がざわつくだろう、という見込みの下で)、という可能性を感じ、取材に対し、その旨話したこともありました(どこかで記事にもなったような気がします)。
そういったことを思い出しながら、上記の記事を読み、現時点で、警察が収集、確保している証拠が、徐々に明らかになりつつある、思い切って逮捕というカードを切ってきた根拠はこの辺りにあるのかもしれない、という印象も受けました。
逮捕、勾留中の被疑者を、現時点で真犯人と決めつけるのは早計ですが、警察のやることはどうせデタラメだと決めつけてこの事件を見るのも安易すぎ、冷静に、捜査の行方を見て行く必要があると思います。