今治殺傷 聴取あとに自殺の女性、遺書残す

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警察は現場近くに住む30歳代の女性による犯行の可能性が高まったとして、4日午後1時半頃から午後10時半頃まで任意で事情聴取していた。女性は今治市内の家族のもとに戻されていたが、5日朝、再び任意での事情聴取のため捜査員が訪れたところ遺書を残し自殺していたという。警察は遺書の内容についてはプライバシーを理由に明らかにしていない。
警察は捜査手法について「適切な事情聴取をしていたと判断している」としていて、自殺についても「家族に対して注意するよう伝えていた」と説明している。

任意の取り調べである以上、夜になり、取り調べを終えることになった後は、対象となっている人を帰宅させることになります。かつては、警察が、逃亡や自殺防止のため、警察手配宿泊施設に宿泊させて監視するといったことも行われがちでしたが、逮捕状もないのに実質的に逮捕していたことになるのではないか、任意捜査の限界を逸脱したのではないかと争われたケースはいくつもあり、そういう手法が取れない以上、家族などに委ねて、よく見てもらうように依頼するの限界でしょう。取り調べ自体問題がなかったか、この段階での任意聴取が早過ぎなかったのかなど、報道だけではよくわからないこともあり、捜査の適否は直ちに断じられませんが、監視をしていなかった警察が悪い、という短絡的な決め付けをすべきではないと思います。
捜査にとって、関係者の自殺は最も回避すべきものであり、そういう事態が起きてしまうと真相解明が困難になってしまいます。残念な、重大な事態の深刻さを、かつて、検察庁で自殺防止を念頭に、苦労しながら任意取り調べをしていた当時の記憶と重ね合わせながら、重苦しく感じていました。