信者1000人超と報告=事件知らぬ若年層に拡大―原点回帰も鮮明に・アレフ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111117-00000067-jij-soci

アレフはインターネットの交流サイトや大学で団体名を隠して近づき、ヨガ教室に誘うなどの手口で勧誘。多く入信させた信者に特別な修行を許す優待制度を設けるなど拡大に力を入れており、参加者が300人を超えたセミナーもあった。元代表松本智津夫麻原彰晃)死刑囚の「生誕祭」や肖像の掲示を公然と行い、以前の修行法や教本も復活させるなど原点回帰も鮮明化している。 

私は、今ではしがない弁護士になり果てていますが、平成7年から平成8年にかけては、東京地検公安部検事で、オウム真理教(当時)関係の捜査に関わって、信者は随分と取り調べたものでした。オウム真理教の特徴は、原始仏教チベット密教をうまく取り入れて教義や教団の仕組みを作り上げ、日本ではそれまでになかったユニークな存在になったことで、それだけに、高学歴の若者も取り込んで勢力を伸ばした面があったと思います。
あれだけの犯罪に走ってしまった原因は、グルの指導に絶対的に従い解脱を求める(よく「無限の帰依」という言葉が使われていました)という仕組になっていたことから、そのグルが暴走してしまえば、信者が皆でもろともに暴走してしまう、というところにあったのではないかと、今振り返っても感じます。そういった危険性を、取調官として散々見てきただけに、上記のような動きには、危惧を感じますね。
カルトの問題は、日本だけでなく世界的な問題ですが、信教の自由は尊重しつつも、そういった人や組織が違法、不当な行為へ走ることに無頓着な社会であってはいけないと思いますし、オウム真理教関係で起きた様々な犯罪や犠牲者の人々を、過去の事として、ただ風化させてしまってはいけない、ということも、しみじみと感じるものがあります。