覚醒剤密輸で逆転有罪、2審判決見直しの可能性

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111118-00000467-yom-soci

被告は、1審の裁判員裁判で全面無罪となったが、2審で逆転有罪とされた。書面審理が中心の最高裁が弁論を開くことで、有罪判決が見直される可能性が出てきた。

被告は2009年11月、マレーシアから成田空港に覚醒剤約1キロをチョコレート缶3個に小分けし、バッグに隠して密輸したとして起訴された。
昨年6月の1審・千葉地裁裁判員裁判は「缶の中に違法薬物が入っていたことを間違いなく知っていたとは言えない」として、裁判員裁判で初めて全面無罪を言い渡した。
これに対し、今年3月の2審・東京高裁は「X線検査で覚醒剤が見つかった時に動揺を見せなかったことなどは薬物の存在を認識していた証拠だ」と述べ、1審判決を破棄して懲役10年、罰金600万円(求刑・懲役12年、罰金600万円)としていた。

このパターンでは、ほぼ確実に原審判決が破棄されているので、最高裁で無罪になる可能性が極めて高いと言えるでしょう。
私も、千葉地検で、5か月ほど、麻薬係検事をやって、こういった難しい薬物密輸の否認事件を次々と担当していたことがありますが、状況証拠についていかなる評価をすべきなのか(してはいけないのか)といったことについて、最高裁が、今後の指針、基準となるような判断を示せば、今後の同種事件処理の参考になり、影響が大きいと思います。そういった意味も含め、判決が注目されると言えると思います。