児童6人死亡、容疑者起訴 運転禁止の医師指導を無視

http://www.asahi.com/national/update/0510/TKY201105090680.html

容疑者はてんかんの持病があり、7、8年前から人身事故や物損事故を数件起こしていた。一般的には薬を服用すれば発作は防ぐことができ、運転も可能だが、同容疑者の場合は、医師から運転しないよう指導されていたという。
同容疑者は指導を無視する形で4月18日午前7時45分ごろ、鹿沼市樅山(もみやま)町の国道293号でクレーン車(12トン)を運転中、発作を発症。同市立北押原小の児童の列に突っ込み、小学4〜6年生の児童6人を死亡させる事故を起こしたとされる。
地検などは、より重い危険運転致死罪の適用も検討したが、同罪は「飲酒や薬物の影響による」と規定されており、断念したという。

本件の前に起こした事故が、てんかんの発作によるものとのことで、医師から上記のような指導も受けていたということですから、車の運転自体を、危険な暴行行為と見て、傷害致死罪の適用を考えることもできたのではないかと思いますが、前例がなく、そこまで踏み切れなかったのでしょう。しかし、6名死亡という重大性や、危険な状態で運転を繰り返していた悪質性を考えれば、思い切った起訴で裁判所の判断を求めてみるべきではなかったか、という意見も十分あり得るでしょう。
てんかんの持病があっても、きちんと治療、服薬でコントロールして運転できる人もいますから、一律に運転を禁止すべきとは思いませんが、自己申告に委ねられている現状では、本件のような危険な運転者が野放しになってしまうことになります。何らかの対策が必要でしょう。免許取得、更新の際に、運転に危険がある疾病の申告義務を課し、不申告について処罰規定を設ける、ということも検討すべきかもしれません。