祇園暴走:雇用主も書類送検 てんかん認識も運転止めず

http://mainichi.jp/select/news/20130312k0000m040040000c.html

雇用主で東山区にある藍染め製品販売会社の女性社長(71)も、持病を認識していたのに仕事での運転をやめさせなかったとして、業務上過失致死傷容疑で書類送検した。

府警によると、運転手のてんかんが原因の事故で、雇用主が刑事責任を問われるのは全国初という。

府警によると、司法解剖結果などから▽抗てんかん薬の成分が発作を抑える濃度に達しておらず、医師の指示通りに服用していなかったとみられる▽体調不良で解熱剤を服用していた−−ことが判明。事故当日は発作を起こしやすい状況だったと判断した。

てんかんであれば運転が絶対的に禁じられているわけではなく、医師の指示を受けつつ適切な服薬等を行うことにより運転している人は多い状態ですから、てんかんであることを認識しながら運転させていた、というレベルでは、刑事上の過失認定は難しいのではないかと思います。さらに踏み込んで、服薬等を行っていないのが常態化していることを認識しながら放置したとか、てんかんの影響による危険運転を現に認識しながら必要な措置を講じなかった、といった事情がないと、過失とは(少なくとも刑事上のものとしては)言いにくいでしょう。ただ、記事では、どういった経緯、事情があったか明らかではなく、今後の京都地検の判断を慎重に見たいと思います。
こういった事故が、てんかん患者の差別へとつながるべきではなく、運転するのであれば適切な治療、服薬をしながら運転し、運転になじまない人は運転しない、という、社会の安全を保ちつつ運転したいという要請にも応えるような、より適切な制度作りへとつなげる必要があるでしょう。