強盗殺人1件、強盗致死・強盗致傷1件等の事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例

最高裁第一小法廷平成21年12月17日決定ですが、判例時報2100号159頁以下に掲載されていました。1審、2審が、検察官の死刑求刑に対し無期懲役とし、検察官が、敢えて上告まで申し立てていたものです。死刑か無期かの限界事例として、今後の参考になるように思われます。
強盗致死と認定された件について、検察官はあくまで強盗殺人が成立すると主張しましたが、最高裁は、強盗致死(被告人に殺意はなく共犯者のいずれかが共謀の範囲を超えて殺害に及んだものと認定)が成立するとしており、この点の判断が(この点だけによるものではないにせよ)、死刑か無期かを分けた可能性が高いと言えるように思われました。