長崎市長を射殺した事案につき、無期懲役の量刑が維持された事例判例時報2151号120頁(最高裁第三小法廷平成24年1月16日決定・判例時報2151号120頁)。

長崎市長が射殺された著名事件で、1審は死刑、2審は破棄して無期懲役刑に処し、検察官が上告(被告人も上告)していたものですが、最高裁の決定内容が参考になるだけでなく、判例時報では、検察官の上告趣意書(永山判決後に、殺害被害者1名で死刑に処せられた27件を分析しつつ論じたもので一覧表も添付)も掲載していて、被害者1名で死刑か無期懲役かの判断が分かれ得る事案を考える上で、資料としてかなり参考になるものではないかと思いました。
殺害被害者1名であれば死刑にはならない、ということでは決してないことが、よくわかります。
弁護人の上告趣意書も出来がよく、併せて掲載されており、これも参考になります。