http://mainichi.jp/select/jiken/news/20091020k0000m040069000c.html
被告は97年9月に宿泊中の大阪市北区のホテル前で、拳銃と実弾を所持した配下の組員2人=ともに有罪確定=に警護させたとして起訴された。大阪地裁は「組員の拳銃所持を認識していたとは認められない」と無罪を言い渡し、大阪高裁も支持したため、検察側が上告していた。
小法廷は「被告は抗争相手から拳銃で襲撃される危険性を十分認識し、配下の組員を警護に当たらせた。組員の拳銃所持を認識し、当然のことと認めていた」と判断した。
同様のケースでは山口組組長、篠田建市=通称・司忍=受刑者(67)が2審で逆転有罪の実刑判決を受け確定。弁護側は「被告の警護は厳重でなく、篠田受刑者とは状況が異なる」と訴えたが、小法廷は「警護態勢はそん色ない」と退けた。
上記のような共謀認定の危険性については、共謀罪を巡る議論の中で、以前、
暴走する(?)「共謀」概念
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060423#1145799880
とコメントしたことがあります。
証拠に接していないので、軽々には論じられない面もありますが、法廷における事実取調べを行わなず事件に書面を通じてしか接しない最高裁が、このような、かなり微妙な事実関係が問題になるケースで、有罪判決を破棄して無罪方向で差し戻すのであればともかく、無罪判決を破棄して有罪方向で差し戻す、という在り方が、はたして望ましいものなのかということも問題でしょう。足利事件で無罪を指し示すDNA鑑定が弁護人によって提出されていながら握りつぶし上告を棄却して冤罪に泣く人を救済しなかった最高裁による今回の判決だけに、余計にそういう印象を強く抱いてしまうのかもしれません。
追記: