警護役に短銃、山口組幹部の無罪見直しへ 最高裁

http://www.asahi.com/national/update/0625/TKY200906250314.html

被告は97年9月20日、山口組の定例幹部会に出席するため宿泊したホテルで、それぞれ実弾5発入りの短銃と予備の実弾5発を持った組員2人に身辺を警護させたとして、起訴された。事件の約1カ月前には、神戸市内のホテルで宅見勝・元山口組幹部が射殺される事件が起きていた。

この流れでは、無罪判決が破棄され、有罪方向での差戻になる可能性が高いでしょう。
問題となっているのは、共謀共同正犯の中でも、いわゆる「黙示の共謀」と言われているものですが、これがなかなか厄介なもので、認定が難しく、そういった問題点については、共謀罪の問題とも関連づけつつ、

暴走する(?)「共謀」概念
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060423#1145799880

とコメントしたことがあります。
共謀罪の問題がなくなったわけではない現在、上記の記事の事件について最高裁がどういった判断を示すかが注目されますが、最高裁が弛緩した解釈を示してしまうことが、冤罪に泣く人々を次々とを生み出すことにもつながりかねず、警戒を要する面もあるように思います。

追記(平成22年3月3日):

銃刀法違反被告事件につき、けん銃等所持の共謀が認められないとした第一審判決及びこれを是認した原判決に重大な事実誤認の疑いがあるとして破棄し、事件を第一審に差し戻した事例(最高裁第二小法廷平成21年10月19日判決・判例時報2063号155ページ)

かなり大胆、と言うか、乱暴な推認、という印象を強く受けるものがありました。一般人と暴力団関係者で、裁判所はダブルスタンダードなのでしょうか?