http://www.asahi.com/national/update/0601/TKY200906010407.html
法科大学院は、乱立による過剰な定員が新司法試験の合格率低下を招いたと指摘されている。中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別委員会は、教育の質の向上のために各校が定員削減を進めることを求めていた。日本弁護士連合会も総定員を4千人程度にするように提言している。
昔から、一握りの司法試験合格者の背後には膨大な数の不合格者がいましたが、後者がいるから前者の質が下がる、などという話は聞かなかったと思いますし、そもそも、そういう問題なのかなという疑問を感じます。司法試験の合格者数をそのままにして、法科大学院生、司法試験受験生を絞り込めば、合格率が上がり、教育の質が上がったように「見える」という、ただそれだけのことでしょう。本当に教育の質を上げるのであれば、実務がわからず学者としても二流、三流といった人々を教員から排除するなど、かなり大胆な改革を行う必要があると思いますが、そんなことは到底無理です。
結局、何事につけても中途半端で、かつ、お金がかかる法科大学院が法曹養成制度の入口に居座ってしまったような格好になり、全体としての法曹養成機能が低下し、改善が望めないという悲惨な状況になってしまっているように思われ、この制度が今後も続けば、10年、20年、30年と経過するうちに日本における法曹全体の能力が次第に低下して行くことは間違いないのではないかと私は考えています。