17歳少年を殺人容疑で再逮捕 京都連続放火

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000019-kyt-l26

府警は未明に北村さん方1階のガレージ奥にまで侵入して火を付けた点を重視し、死んでも構わないとの「未必の故意」があり殺人容疑が成立すると判断した。

奈良放火殺人の長男、一転して殺意否認の供述
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060630#1151621315

でもコメントしたことがありますが、こうした、見ず知らずの人の家に放火するタイプの事件では、殺人罪まで立件、起訴する場合とそうでない場合があり、立件はされたが起訴は見送りという場合もあって、殺人罪まで認定されるかはケースバイケースです。現住建造物等放火罪自体が、殺人罪と法定刑が変わらない(上は死刑まで)、刑の重い犯罪であり、実務的には、無理に殺人罪まで立件しなくても重い科刑が可能であると判断されて、殺人罪までは立件、起訴されない傾向もあります。
深夜、未明に、内部に人がいる(おそらくは寝ている)状態で放火すれば焼死する可能性が高い、という点では、殺人罪としての実行行為性は肯定されやすいものがありますが、問題になるのは、やはり「殺意」でしょう。単なる抽象的な可能性レベルでの認識にととまらず、放火する箇所、そこに放火することによっていかに建物に火が回ると予想されるか、といった客観的、具体的状況に対する犯人の認識を中心に据えつつ、動機などその他の事情も積み重ね、自白しているのであれば自白も慎重に吟味して、殺意が認定されるかどうか判断することになると思います。
危険極まりない犯行ですが、殺人罪の認定ということになると微妙なものがあるタイプでもあって、なかなか難しいものがあるタイプの事件です。