司法試験合格者増員、日弁連がペースダウンを緊急提言

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080718-00000046-yom-soci

宮崎誠会長は記者会見し、「3000人という人数目標の見直しは求めていない。増員をペースダウンし、その間に、法曹の質の維持に必要な方策を見いだそうとするものだ」と説明した。
これに対し、町村官房長官は同日の記者会見で「司法制度改革に携わってきた立場をかなぐり捨てて急に(見直しを)言い出すのは、正直言って見識を疑う」と批判した。

現実の問題として、新規に弁護士登録をしようとしている人々の多くが、就職すべき事務所、会社等を見つけられずにいて、日弁連としても何もしなわけには行かない、ということなのでしょう。ただ、現在、問題になっているのは、「質の低下」ということよりも、むしろ「就職難」ですから、論点をすり替えているのではないか、という批判は十分あり得ると思います。日弁連としても、苦肉の策、という面はあるのでしょう。元々、日弁連弁護士会には、それほど高い見識を持つ人が集まっているわけではないので、その程度の見識を疑ったりしても仕方がないと思います。>官房長官
冷たいことを言うようですが、司法試験に合格し司法修習を終えた後に、どういった身の振り方をするかは、完全に「自己責任」の世界であると思います。法曹を目指す、ということに、そういったリスクも織り込んでおくべき、ということでもあるでしょう。質が低下しないようにするための方策は真剣に検討すべきですが、今更、数を減らすなどと騒いでも仕方がない、というのが私の感覚で、単なる弁護士の集まりでしかない日弁連弁護士会が、増員反対などと騒ぐのは筋違いでもあると思います。
私が合格した頃の司法試験は、あまりにも合格者数が少なく、合格者増は関係者にとっての悲願であったことが思い出されます。年月が経過し、大幅な増員が実現した後に、新たに生じた問題(就職難、質の低下)があるからと言って、今度は減員を主張する、というのは、建設的な議論とは言えないでしょう。日弁連として、国民に真に納得してもらえる明確なビジョンを、まず持つべきではないか、と思います。